潮岬郵便局の風景印(和歌山県東牟婁郡串本町)
- 使用期間
- 昭和37(1962)年2月15日~
- 図案説明
- 潮岬灯台とはまゆうを描く
和歌山県東牟婁(ひがしむろ)郡串本町・潮岬(しおのみさき)郵便局の風景印です。
「太陽の出でゝ没るまで青岬」と山口誓子が詠んだ潮岬は、北緯33度26分、東経135度46分、本州最南端の地です。東京都・八丈島とほぼ同じ緯度、というのですが、八丈島がどれくらい南にあるのかピンとはきません。
子どものころ「気象通報」というのを聞いて天気図を書いていたことがあります。潮岬は気象観測地点のひとつで、「潮岬では、南南東の風、風力7、曇り……」とよく耳にし、風が強いところなんだなという印象でした。台風が接近するとよく天気情報に登場するので、地名は聞いたことがあるでしょう。
岬の周辺は広大な芝生広場で、かつて海軍の望楼があったことから「望楼の芝」と呼ばれています。ここは昭和30年ごろまで牛の放牧場だったのだそうです。最果ての地、という雰囲気は十分で、少し寂れた感じの潮岬観光タワーがアクセントになっています。観光バスが停まると、ツアーの団体客で土産物屋がひととき賑わっていました。
岬のある半島はじつは陸繋島です。リアス式海岸特有の入り組んだ崖で囲まれており、海岸に降りるのは困難。そのため、クレ崎と呼ばれる本当の最南端部分は遠目に眺めるしかありません。しかし、そのあたりには似たような岩がいくつもあって、結局どれが最南端なのか、判然としませんでした。
図案に描かれた潮岬灯台は、少し離れた別の場所にあります。明治6(1873)年に点灯して以来、現在も現役で海上の安全を見守っているそうです。見学もできるようでしたが、私が到着したのは17時を過ぎており、すでに中へは入れませんでした。
潮岬郵便局は、灯台から車で5分ほどの高台の住宅地内にあります。風が強いところだからか、家々の屋根は大きく建物全体が平たい印象で、しっかりとした石垣や塀に囲まれている家も多く見受けられました。
潮岬郵便局の局舎も屋根の大きな平屋です。ここが「本州最南端」の郵便局で、局舎の前には、そのことを示す標柱も立っていました。こういう局に来ると、つい多めに押印を依頼してしまうのですが、快く応じてくださいました。「どちらからいらしたんですか」「東京からです」そんな何気ない会話を交わせると、来てよかったな、と思えます。
潮岬郵便局の地図
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